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戦争が平和を平和が戦争をもたらす。 戦争にチャンスを与えよ 「文芸新書」 エドワード・ルトワック

要約、その他雑記

 

非戦争当事国やNGO国連などによる介入が戦争を長引かせると筆者は言う。

 

本書ではまずルワンダ紛争を例にこの議論を深めている。

 

ルワンダ内線では当初ツチ族によるフツ族虐殺が起こりフツ族は国境を越え東コンゴへ逃げ込んだ。そこに介入してきたのがNGOであり、彼らは難民キャンプを設置しフツ族を保護した。

すると、そこで体力を回復したフツ族は夜中にルワンダに帰り(難民キャンプが国境から数キロしか離れていなかった)ツチ族の虐殺を開始したのである。

こうしてツチ族によるフツ族への復讐、虐殺が激化し未曽有の大惨事を引き起こすことになったのである。

 

難民になるのは基本的には戦争敗者であり、そのような彼らを支援することで復讐の機会を作ってしまっているのだ。

 

 

ちなみに、NGOという組織の問題点を述べたものとして以下の本も参考になるのでよろしければどうぞ。

#すべてのNGOを否定しているわけではありません。あくまで問題がある組織もあるというだけです。一般的には弱者救済をする正義の集団と思われているNGOをクリティカルな視点で見る良いきっかけになると思います。

 

同じような現象は国連パレスチナ難民救済事業機構(UNRWA)にも当てはまるという。

いわば、彼らがイスラエルから追い出されたアラブ人を支援することで失地回復の希望を与えてしまっているのだ。

 

では具体的にこのような戦争、紛争に国際社会はどう対処すれば良いのか。

筆者はいかなる組織も介入せず戦争が自然消滅するのを待つべきだとする。

介入を控えることによってこそ、戦争による疲弊がいずれ戦争を終わらせ平和をもたらすというプロセスが出来上がると語り、国際社会による介入はこの自然プロセスを妨害するものだと語る。

 

 

本書では他にも、現在の北朝鮮による脅威や中国との尖閣諸島問題への具体的な対処法、そして、戦争においては軍事戦略以上に外交、つまり同盟関係が重要になることとその歴史事象に基づいた具体例、さらには、日本の戦国武将の優れた軍事戦略についても語られている。

個人的には世界の少子化の原因についての考察は非常に興味深かったです。

戦略論の入門として非常におすすめ!


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